高度な企業統制を確立・維持すべく、Spring REITでは透明でかつ内部のチェック・アンド・バランスが利いたオペレーションを行うための各種ポリシーや手順が導入されています。Spring REITの企業統制ポリシーは、REITが上場会社に相当するとして香港上場規則附則第14条の要件に沿って採用されています。SAML及びSpring REITが採用している企業統制ポリシーの主な構成要素は以下の通りです。
Spring REITは香港証券先物条例(SFO)第104条に準じ香港証券先物委員会(SFC)により認可された集団投資スキームであり、香港REIT法を始めとする各種法律、規制や規約による規制を受けています。SFCによる認可は投資スキームの推奨や是認ではなく、スキームの商業的価値や利回りを保証するものでもありません。また、同認可はスキームがあらゆる投資家に適することを意味するものでも、特定の投資家又は投資家集団のために適合していることを是認するものでもありません。SAMLはSFO第116条に準じその規制業務である資産管理業を行うことにつきSFCによる営業許可を受けています。SAMLはSFO第125条及び香港REIT法第5.4条の要件に準じ、3人のResponsible Officerを有し、SFOの第125条に準じその内少なくとも1人が同社の執行取締役となっています。
受託者は受託者条例第77条に準じる信託会社です。受託者は香港REIT法に基づきSFOが認可する集団投資スキームの受託者たる職務を行うことが認められています。
受託者とSAMLは相互に独立しています。受託者はSpring REIT受託者として信託証書に基づきユニットホルダーに代わってSpring REITの資産を保全することを責務としています。信託証書に基づくREIT管理会社の役割は、Spring REITとその資産を信託証書に準じて管理し、特に、Spring REITの資産について専らユニットホルダーの利益のために財務的にも経済的にもプロフェッショナルな管理が確実に行われるようにすることにあります。
SAMLの取締役会は7人から構成され、内3人は独立社外取締役です。取締役会は主にSAMLの日常業務と営業行為を監督し、同社の全体的なガバナンスに対して責任を負います。取締役会は経営陣が職務を果たし適正報酬を得られること、及び、適正な内部統制ポリシー及びリスク管理システムが維持されることを目的として、定款等で定められる範囲で全権を行使します。取締役会はSAMLの重要な財務決定事項や業績についてもレビューを行います。香港REIT法に準じ、REIT管理会社はユニットホルダーに対する忠実義務を負い、ユニットホルダーの利益最大化のために努める責任があります。
効果的でバランスのとれた取締役会構成とするため、取締役会の規模は最小7人、最大9人の取締役を設置するよう規定されています。SAMLの企業統制ポリシーにより、独立社外取締役らは同社コンプライアンス・マニュアルに規定された独立性基準を満たす個人でなければなりません。
取締役会の構成は次の原則により決定されています:
取締役会の構成は定期的に見直され、取締役会が適正な専門能力と実績を持ち合わせ、選任される取締役が職務を果たすのに必要な関連専門能力と実績を持っていること。
監査委員会は取締役会により選任される非執行取締役によって構成され、うち少なくとも1人は適正な専門資格又は会計や関連財務管理専門能力を持つ者でなければなりません。また、監査委員会メンバーの過半を独立社外取締役が占めなくてはなりません。監査委員会は、適正な内部統制組織の確立及び維持、さらに、財務諸表の品質と一貫性を確保する責任を負っています。監査委員会は独立社外監査人の指名を行い、費用、範囲、品質の観点から社外監査が適正に行われているかの確認を行う責任も負っています。監査委員会は、SAMLとSpring REIT両者について内部統制及びリスク管理のための効果的なシステムが存在しかつ機能していることについても責任を負っています。
監査委員会のその他の責任:
開示委員会は取締役会により取締役の中から指名されます。開示委員会は取締役3人から構成され、内1人は独立社外取締役であるものとします。開示委員会はユニットホルダーへの情報開示及び公的発表に関わる事項のレビューの責任を負うほか、 SAML経営陣と協力の上、情報開示が正確かつ完全であることの確保を行います。
開示委員会のその他の責任:
報酬委員会は取締役会により取締役の中から指名されます。報酬委員会メンバーの過半は独立社外取締役とし、その議長は独立社外取締役であるものとします。報酬委員会はとりわけSAMLの全従業員及び取締役(取締役会により報酬が決定される報酬委員会のメンバー以外)の雇用条件のレビュー、及び、適切な人材配置計画(同社経営陣と取締役会の継承計画を含む)や報酬・退職についてのポリシーやプランの推奨に責任を負います。報酬委員会は取締役が本人自らの報酬決定に関与しないことを確実にする責任も負います。
選任委員会は取締役会により取締役の中から指名されます。選任委員会メンバーの過半は独立社外取締役から構成するものとし、その議長は独立社外取締役または取締役会会長であるものとします。選任委員会はとりわけ、取締役会及び関連委員会の組織・規模・構成を継続的に見直し、取締役の選任・再任・退任候補者の指名や推薦を行う責任を負っています。
顧問委員会は取締役会により取締役の中から指名されます。顧問委員会は、SAMLのSpring REIT管理業務、同社の財務実績、Spring REITに関するIR活動、潜在的な資産取得機会等のレビューを行い、またSAMLやSpring REITへのサービス・プロバイダーの業務遂行の監督を行います。顧問委員会はその独自判断により必要に応じて取締役会に情報を提供し、取締役会の関連委員会が円滑に機能するように調整します。顧問委員会はSpring REIT関連事項について討議すべく取締役会を招集するように取締役会会長に適宜推奨する権限を持ちます。顧問委員会はSpring REITの管理上の課題を見直し取締役会に提言を行うべく月次開催されます。
Spring REITは毎年年次総会及びその他総会を開催します。受託者又はSAMLはユニットホルダー総会を随時招集することができます。また2人以上でかつその登録保有ユニット数が合算で発行済ユニット数の10%以上となるユニットホルダーからの書面による要請があった場合もSAMLはユニットホルダー会議を招集します。 総会招集通知は少なくとも14暦日か10営業日前(いずれか長い方)までにユニットホルダーに対して行われます。但しかかる総会で特別議決事項が諮られる場合は少なくとも21暦日か20営業日(いずれか長い方)前までにユニットホルダーへ通知されるものとします。招集通知には会議日時及び議案が明記されるものとします。
特別決議以外は、2人以上で登録保有ユニット数が合算で10.0%以上となるユニットホルダーが本人または委任状による出席をすることで定足数が満たされます。特別決議に関しては、2人以上で登録保有ユニット数が合算で25.0%以上となるユニットホルダーが本人または委任状による出席をすることで定足数が満たされます。
Spring REITは国際会計報告基準(IFRS)に準じて12月31日を末日とする通期と6月30日を末日とする半期の会計報告書を作成します。香港REIT法に準じ、Spring REITの年次報告書及び年次決算書は会計年度終了から四ヶ月以内に公表されユニットホルダー宛に送付され、SFCに提出されます。但し、半期報告書については対象期間の終了後二ヶ月以内とします。
香港REIT法に準じSAMLはユニットホルダーに対してSpring REITに係る重要な情報を適時かつ透明に報告します。また、SFOのXIVA章につき、「上場会社」をSpring REITと読み替え、「上場会社取締役会」をREIT管理会社取締役会と読み替えた上で、それら条項がSAMLに適用されます。
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