高度な企業統制を確立・維持すべく、Spring REITでは透明でかつ内部のチェック・アンド・バランスが利いたオペレーションを行うための各種ポリシーや手順が導入されています。Spring REITの企業統制ポリシーは、REITが上場会社に相当するとして香港上場規則附則第C1条の要件に沿って採用されています。REIT Manager及びSpring REITが採用している企業統制ポリシーの主な構成要素は以下の通りです。
Spring REITは、ユニットトラストとして構成され、SFOの第104条に基づいてSFCによって認可され、SFO、REITコード、および上場規則の適用条項に従ってSFCによって規制される集合投資スキームです。REIT Managerは、SFO第116条に準じその規制業務である資産管理業を行うことにつきSFCによる営業許可を受けています。REIT ManagerはSFO第125条及び香港REIT法第5.4条の要件に準じ、4人のResponsible Officerを有し、SFOの第125条に準じその内少なくとも1人が同社の執行取締役となっています。
受託者は受託者条例第77条に準じる信託会社です(香港法第29章)。受託者は香港REIT法に基づきSFOが認可する集団投資スキームの受託者たる職務を行うことが認められています。
受託者とREIT Managerは相互に独立しています。受託者はユニットホルダーに代わってSpring REITの資産を安全に保管し、信託証書およびSpring REITに適用される規制要件に従って REIT Managerの活動を監督する責任を負います。REIT Managerは、信託証書に従ってSpring REITとその資産を管理し、Spring REIT の資産がユニットホルダーの利益のみのために管理されるようにする責任を負います。
取締役会は8名で構成され、そのうち4名は独立社外取締役です。取締役会は主に、REIT Managerの日常的な管理と企業統治を監督します。取締役会は、REIT Managerが信託証書に基づく義務を履行していることを確認する責任を負います。義務には以下が含まれますが、これらに限定されません。(i) ユニットホルダーの利益のみを目的として、信託証書に準じてSpring REITを管理すること、(ii) Spring REITを管理する際は、Spring REITの日常業務および財務状況を十分に監視すること、(iii) REIT ManagerとSpring REITのライセンスおよび認可条件、およびSpring REITまたはその管理に関して政府機関、規制機関、取引所、またはその他の組織が発行した適用法、規則、規約、ガイドラインに準拠していること、(iv) 取締役、執行役員、上級管理職のトレーニングと継続的な専門能力開発を見直しおよび監視すること。
効果的でバランスのとれた取締役会構成を構築することを目指し、、取締役会の規模は最小7人、最大9人の取締役を設置するよう規定されています。REIT Managerの企業統制ポリシーにより、独立社外取締役らは独立社外取締役の独立性を評価する上場規則の規則3.13およびREIT Managerが採用した企業統治ポリシーに定められた独立性基準を満たす個人でなければなりません。
取締役会の構成は主に、次の原則により決定されています:
取締役会の構成は定期的に見直され、取締役会が適正な専門能力と実績を持ち合わせ、選任される取締役が職務を果たすのに必要な関連専門能力と実績を持ち合わせていることを確認します。取締役会委員会での活動、取締役会および/または取締役会委員会の会議で議論された事項への積極的な参加と貴重で公平な意見の共有、潜在的な利益相反を含む問題の管理における主導的な役割を通じて、すべての独立社外取締役は取締役会に個々の意見を提供し、REIT ManagerおよびSpring REITグループの効果的な指導にさまざまな貢献をしてきました。取締役会および取締役会委員会は、必要に応じて、企業統治ポリシーに定められた職務に関連する問題について外部の専門コンサルタントに相談して助言を得ることができます。取締役会は、個々の意見および情報のメカニズムの実施と有効性を毎年見直すものとします。
REIT Managerの監査委員会のメンバーは、取締役会により選任される社外取締役の中からのみ任命されます。監査委員会のメンバーの過半数は独立社外取締役で、うち少なくとも1人の独立社外取締役は、適正な専門資格又は会計や関連財務管理専門能力を持つ者でなければなりません。監査委員会は、適正な内部統制組織、効果的な財務報告およびリスク管理システムの確立及び維持、さらに、財務諸表の品質と一貫性を確保する責任を負っています。監査委員会は独立社外監査人の指名を行い、費用、範囲、品質の観点から社外監査が適正に行われているかの確認を行う責任も負っています。監査委員会は、REIT ManagerとSpring REIT両者について内部統制及びリスク管理のための効果的なシステムが存在しかつ機能していることについても責任を負っています。
監査委員会のその他の責任:
REIT Managerの開示委員会のメンバーは取締役会の中から取締役によって指名されます。開示委員会は取締役3人で構成され、内1人は独立社外取締役であるものとします。開示委員会はユニットホルダーへの情報開示及び公的発表に関わる事項を見直す責任を負うほか、REIT Managerの経営陣と協力の上、情報開示が正確かつ完全であり、誤解を招くものではないことを確認します。
開示委員会のその他の責任:
REIT Managerの報酬委員会のメンバーは、取締役会により取締役の中から指名されます。報酬委員会メンバーの過半は独立社外取締役とし、その議長は独立社外取締役であるものとします。報酬委員会の委員長は常に独立社外取締役でなければなりません。報酬委員会は、REIT Managerのすべての取締役と上級スタッフ(報酬委員会のメンバーを除きます。報酬は取締役会によって決定されます)の雇用条件の見直し、独立社外取締役の報酬取り決め監視と監督、適切な人材配置計画(REIT Managerと取締役会経営陣の後継者計画を含みます)、報酬および退職ポリシーとパッケージの推奨を担当します。報酬委員会はまた、取締役が自身の報酬の決定に関与しないようにします。
REIT Managerの指名委員会のメンバーは、取締役の中から取締役会によって任命されます。指名委員会のメンバーの過半数は常に独立社外取締役でなければなりません。指名委員会の委員長は常に独立社外取締役または取締役会の会長でなければなりません。指名委員会は、取締役会とその委員会の構造、規模、構成(スキル、知識、経験を含みます)を少なくとも年に1回継続的に見直し、取締役の任命、再任、解任、および取締役の後継者計画の候補者を指名し、それに関する勧告を行う責任を負います。
REIT Managerの顧問委員会のメンバーは取締役会により取締役の中から指名されます。顧問委員会の機能は、REIT Manager がSpring REITに提供する管理業務、REIT Manager とSpring REITの財務実績、Spring REITに関するIR活動、潜在的な資産取得機会等の見直し、またREIT ManagerとSpring REITへのサービスプロバイダーのパフォーマンス(プロパティマネージャーとビルマネージャーのパフォーマンスを含みます)の監督です。顧問委員会は、必要に応じて取締役会の合間に取締役会に随時情報を提示し、取締役会によって設置されたさまざまな委員会間の円滑な調整を確保します。適切な場合、顧問委員会は、Spring REITのあらゆる問題を議論するために取締役会を招集するよう会長に勧告することができます。顧問委員会の会議は、Spring REITの管理上の問題を検討し、取締役会に勧告するために毎月(または必要に応じてより頻繁に)開催されています。
Spring REITは各暦年に、その年のその他の総会に加えて、年次総会を開催します。受託者またはREIT Managerは、いつでもユニットホルダーの総会を招集できます。信託証書に従って、現時点で発行されている未償還ユニットの10%以上を共同で保有していると登録されている2名以上のユニットホルダーは、REIT Managerに書面でユニットホルダーの総会を招集するよう要求する権利を保持します。上場規則に基づき、通知は年次総会の場合は少なくとも21日前、その他の総会の場合は少なくとも14日前に送付されるものとし、信託証書に基づく要件に従い、年次総会が検討対象として提案されている場合は少なくとも20営業日前にユニットホルダーに通知され、その他のすべてのユニットホルダーの総会の場合は少なくとも10営業日前にユニットホルダーに通知されるものとします。ユニットホルダーに送達されるすべての通知には、通知が送達された日または送達されたとみなされる日、および通知が発行される日は含まれません。
特別決議以外は、2人以上で登録保有ユニット数が合算で10.0%以上となるユニットホルダーが本人または委任状による出席をすることで定足数が満たされます。特別決議に関しては、2人以上で登録保有ユニット数が合算で25.0%以上となるユニットホルダーが本人または委任状による出席をすることで定足数が満たされます。
Spring REITは国際会計報告基準(IFRS)に準じて12月31日を末日とする通期と6月30日を末日とする半期の会計報告書を作成します。香港REIT法に準じ、Spring REITの年次報告書及び半期報告書は各会計年度末から4か月以内、各会計半期末から3か月以内に発行され、ユニットホルダー宛に送付され、SFCに提出されます。さらに、Spring REITは、四半期ごとに、物件の稼働率や経過賃料などの監査されていない運営統計の発表を自主的に公開しています。
REITコードで要求されているように、REIT Managerは、Spring REITに関する重要な情報や進展の公表がタイムリーかつ透明性のある方法で行われることを保証し、ユニットホルダーがSpring REITのポジションを評価できるようにします。
REIT Managerの上級管理職は、業務遂行において最高水準の誠実さ、オープンさ、説明責任、優れた企業統治を維持することに尽力しています。REIT Managerは、従業員や外部関係者が報復を恐れることなく、実際の、または疑わしい不正行為、詐欺、汚職、不正行為に関する懸念を表明できるチャネルを確立しています。
すべての報告は、公平かつ適切に検討されるよう独立して評価されます。苦情を効果的に評価および調査するには、すべての重要な情報の入手が不可欠であるため、作成されるレポートには、できるだけ多くの情報と具体的な内容が含まれていなければなりません。
さらなる調査とフォローアップを容易にするために、報告は匿名で行われないことが推奨されます。
すべての報告は、以下のいずれかの方法により書面で行ってください: